【101】所得税のよくある勘違い

こんにちは、ディーターです。

税金に関して勘違いしている人は多いので、今回は所得税に関するよくある間違いを解説させて頂きたいと思います。
今回の話のメインターゲットは個人事業主の方ですが、会社員の方でも副業を考えていたりする人にとっては参考になると思います。
ちなみに私は個人事業主になって5年以上確定申告をして来ましたが、最初のうちは税金についてたいして理解していませんでした。

税金に関してはかなり奥が深く、詳しく説明すると相当長くなってしまいますが、今回は「個人事業主の税金は思ったより高くない」ということに絞って解説させて頂きます。
今回の話が、税金が分からないから個人事業主は危険だと感じている方や副業をしたいとは思っているけど、まだ一歩踏み出せていないという方の後押しになれば幸いです。

では早速ですが、「個人事業主の税金は高い」と思っている方はいませんか?
はい、とんでもない誤解です。たぶん多くの人は、税金って意外と安いなぁと感じると思います。
所得税の最大税率は45%、法人税の税率は約30%という数字を見たことがある人は、個人事業主は税率が高いと思っているかもしれません。
もちろん何千万円や何億円といったお金を稼ぐような人にとっては高いですが、多くの一般人にとっては全く関係ない話です。

次の図は所得税の税率一覧です。見たことがある人も多いのではないでしょうか?

これを見て、自分は年収400万円だから所得税20%かぁ、と思う人がいるかもしれません。でもそれは大間違いです。

実際は所得税率は5%か、厳しく見積もっても10%です。

所得税の対象になる金額というのは売上から経費控除を引いた金額です。
「自分は商品を仕入れているわけじゃないし、経費なんてそんなかからないよ」と思う方もいるかもしれませんが、安心してください。
控除というのもかなり大きな武器です。

どんな人でもほぼ無条件で使える控除に、基礎控除青色申告特別控除というものがあります。
基礎控除は、本当に無条件で誰でも自動的に控除されるんですが、青色申告特別控除は青色確定申告をしている人だけが受けられる控除です。
確定申告には青色申告と白色申告があって白色申告の方が簡単なので白色申告が10万円の控除、青色申告が65万円の控除となっています。

ただ、今の時代、会計ソフトを使わずに確定申告をする人はほとんどいません。
会計ソフトを使うと、青色申告する際に必要な貸借対照表や損益計算書が自動で作成されるので、やることは白色申告のときと何も変わりません。
つまり白色申告をするメリットが全くないので、誰でも必ず受けられる控除と言っても過言ではないでしょう。

ただし、ここで二つ注意点があります。
青色申告する場合は、初年度だけ確定申告を青色申告で行うという書類を提出しないといけません。2年目以降は提出不要です。
もしこの書類の提出を忘れた場合は、白色申告になってしまうので気を付けてください。
と言っても、ほとんどの人は開業届と同時に提出するもので、開業届の出し方を調べたら大抵同時に説明されているので大丈夫です。
ちなみに私の友人は青色申告の申請を出し忘れていたら、税務署の方から青色申告の申請はしなくて大丈夫ですか?と聞いてくれたそうです。
かなり親切ですね。

あともう一つの補足としては、青色申告特別控除で65万円の控除が受けられるのは電子申告をした場合だけです。
プリントアウトした紙の確定申告書を、自分で税務署に持って行って申告した場合は、55万円の控除になってしまいます。
電子申告はマイナンバーカードを使って、マイナポータルという国税のサイトを利用しないといけないので、ITが苦手という方は最悪税務署で提出でも良いと思います。

ただし、税務署に行こうと思ったら1日仕事の休みを取ったりしないといけないのに対し、電子申告は自宅からできます。
また、分かりにくいのは最初の1回目だけです。
何より電子申告するだけで10万円も控除金額が増えます。
日給10万円ですよ?確定申告は毎年あるわけですし、是非頑張って電子申告に挑戦して欲しいと思います。

ちなみに私の友人は、みんな青色申告の電子申告で65万円の控除を受けています。
初めての方には「分からないことがあったら何でも聞いてください」と言いましたが、特に質問もなく普通に自力で確定申告していました。
私は、初年度はマイナポータルがかなりわかりにくかったんですが、やっぱり私よりも優秀だなぁと思いました(笑)
もちろん簿記の資格などを持っていない方もみんな全く問題なくできています。

基礎控除48万円と青色申告特別控除の65万円で合計113万円は、ほぼ誰でも収入から差し引かれてから税金が計算されると言うわけです。
さらに社会保険料控除も、ほぼみんな受けられる控除ですね。
私は個人事業主になったばかりの頃は、本当にお金が無かったので、国民健康保険も年金も払わず逃げ回っていたというとんでもない状態だったので、社会保険料控除は受けられなかったのですが、たぶんみなさんは大丈夫ですよね?(笑)

他にも、結婚されている方は配偶者控除扶養控除、ふるさと納税などをしている方は寄付金控除、iDeCoをしている方は小規模企業共済等掛金控除、生命保険に入っている人は生命保険控除など、さらに医療費控除雑損控除など、どれだけあるんだってくらい色々な控除があります。

さらに家賃や電気代、通信費などの生活する上で必ずかかる費用も一部経費にできるので、いわゆる年収400万円という人の課税所得、つまり税金対象となる金額は200万円以下になるというのは十分現実的な金額です。

課税所得が195万円未満なら税率は5%です。
住民税の税率が10%なので、初めて確定申告した人はおそらく所得税って安いなぁと思うはずです。
消費税以下です。
みんな税金は気になると思いますが、実際問題、気にするのは収入が増えてきたなぁと感じてからで十分です。
それよりもまずは収入を増やすことの方が、遥かに早くお金持ちに近づけるはずです。

ということで今回のまとめですが、個人事業主の税金を心配し過ぎている人は多過ぎな気がします。
確かに安心し過ぎて払えなくなるよりは良いですが、実際には税金を心配しなければいけないのは、収入が増えて来てからです。
税率の一覧表などを見ると、年収400万円くらいでも所得税が20%かかると思っている人もいると思いますが、実際には10%か5%しかかかりません。というのも経費や控除の効果がとても大きいからです。
誰でも対象となる基礎控除と青色申告特別控除だけでも100万円以上の控除があります。
青色申告と言うと、難しいと思っている人もいるかもしれませんが、会計ソフトを使えば簡単にできます。
会計については簿記の知識が役に立つのは確かですが、簿記の知識が全くない人でも青色申告するだけなら何も困りません。
年収を65万円上げるのにはいろいろな壁があるかもしれないですが、簡単にできる青色申告だけで毎年65万円も控除できるなら、やらない手はないと思いますよ。

なお今回は所得税に限定して解説させて頂きましたが、金額が高く仕組みも複雑で一番厄介なのは社会保険料、そう、健康保険です。
この対策ももちろんあるんですが、少し難易度が上がるので、それはまた別の機会に解説させて頂きます。
少し厄介ですがその分効果は抜群なので、是非楽しみにしていてください。

最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。

この記事を書いた人

30代後半、無職、借金1000万円の状態から、考え方を変えるだけで人生いくらでも大逆転できることに気づいてしまう。

現在は個人事業主として働きながら借金を返済中。
借金はまだ数百万円ある状態にも関わらず、毎日幸せを感じながら生活している。

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