【46】 世界一わかりやすい節税対策

こんにちは、ディーターです。

前回は個人事業主のデメリットを紹介したので、今回は経営者や個人事業主の大きなメリットの一つとも言える節税について解説させて頂きたいと思います。
税金というのはとにかく複雑でわかりにくくなっていますが、今回はその複雑なところの厳密さは一旦置いておき、イメージがつかめるということを目的に解説させて頂きます。

税金は誰もが必ず支払っているお金で、収入の内の相当なウエイトを占めるお金なのに、その税金について具体的な身近な数字を使って説明されることってほとんどないですよね?
それもそのはずで、税金・社会保険料の金額というのは家族構成や年齢、住んでる地域など本当に色々な要素によって変わってしまうので目安の数値を提示するのも簡単ではありません。
さらに、計算はかなり複雑なので、おそらく会計士・税理士などのプロ以外で確実に間違えなく計算できる人はほとんどいないと思います。

目安の数字を提示するのも難しいのに、間違える可能性もかなり高く、もし間違えたら相当怒られてしまうでしょうし、何より勘違いさせてしまった人に対して本当に申し訳ないです。

さらに、お前は普段からそんな風に確定申告していたのか?と、税務調査に入られる可能性まであります。
また、税金のプロなら間違えることはないでしょうが、今度は複雑すぎて見ている人がついていけません。
かといってプロであるがゆえに、色々な条件を全て無視して、あまりにも大雑把な数字を提示するのも問題があるでしょう。

ですから今回は、どんなに怒られてもへこたれない私が、とにかく厳密さを極力省き、イメージをつかむこと最優先で説明させて頂きます。

ですので最初に謝っておきます。
私の計算は間違っているかもしれません。
もし勘違いさせてしまったらごめんなさい。
今回の数字はあくまで目安であるため、実際の詳細な金額を知りたい場合は専門家に相談することをおすすめします。

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ということで今回は節税効果を説明するために月収35万円の会社員と個人事業主を例にして説明させて頂きます。

ではまず大前提となる個人事業主の収入というものについて説明しておきます。
もしかしたら個人事業主というのは派遣労働のようなものだと思っている方もいるかもしれません。
毎月の給料は正社員よりも派遣社員の方が高くなりやすいですし、派遣社員はボーナスが出ないという点も個人事業主と似ています。

しかし派遣社員と個人事業主は完全に別物です。
違いはいくつもありますが、税金の面に限った話で言うと、派遣社員は個人事業主よりも会社員に近いです。

正社員も派遣社員も契約社員もアルバイトもそうですが、会社に雇われて給料というものを貰っています。
それに対して個人事業主は、同じように働いていたとしても雇われているわけではなく、会社と契約を結んでいるだけで、給料ではなく報酬を頂いています。
会計用語で言うと、前者は給与所得と呼び、後者は事業所得と呼びます。
もちろん個人事業主でも会社に雇われて給料をもらっていた場合は、そのお金は給与所得となります。
この2つの違いは、そんな大した違いのように思わない方もいるかもしれないですが、これは物凄く大きな違いです。

額面給与と手取り給与ってかなり差がありますよね?
給与所得では、額面給与から税金と社会保険料が差し引かれた金額が手取り給与となってあなたに支払われます。
それに対して事業所得では額面金額が全て支払われ、税金や社会保険料は後から自分で納付することになります。

払う順番が変わるだけで何も変わらないじゃん。と思うかもしれませんが、この順番が物凄く大事なんです。

ではここで例として月収35万円家賃8万円の家に住んでいる1人暮らしの会社員がいたとしましょう。
家賃8万円は、個人的には高いと思いますが、家賃は月収の3割くらいと言う話もあるので、高すぎるということはないと思います。

月収35万円の会社員の手取り額は約28万円になります。
この金額は家族構成などによっても変わりますが、目安としては手取りは額面の8割ほどになります。

この28万円からすべての生活費を支払っていくことになりますが、ここから家賃を支払うと残りは20万円です。

お金の使い方は人によりますが、総務省統計局のデータによると1人暮らしの平均的な生活費は家賃を除くと13万円くらいだそうなので、自由に使える金額というのは7万円くらいになります。

ここで、例えばパソコンが壊れてしまって買い換えないといけないとします。
色々調べて、そこそこスペックの良いパソコンが8万円で売っているのを見つけました。
ただしお金は7万円しかないので後1万円足りません。

パソコンはどうしても必要です。大ピンチです。

では、もしこれが月収35万円の自宅でパソコンを使って仕事をしている個人事業主だった場合はどうなるか見てみましょう。

まず手取り収入は税金や社会保険料が一切引かれないので手元に35万円が入ってきます。
なんと、いきなり手取り収入が7万円もアップしたわけです!
これならパソコンは余裕で買えます。
ですが、本当に買って良いのか決めるのは、税金・社会保険料の分をどのくらい残さないといけないか考えてからになりますね?

税金額を計算するために、経費というものを考えてみましょう。
まず家賃8万円ですが、自宅が事務所でもあるためこれは経費にできます。
ただし、全額が経費ではなく、仕事に使うスペースの広さや使用頻度などによって、家賃の何割かが経費になります。
ワンルームの場合などは経費の割合も高くなりそうですが、今回は少なめに見積もって家賃の5割を経費としましょう。
つまり経費4万円です。

次に、他に経費にできるものがないか見てみると、自宅で仕事をしているのなら水道光熱費・通信費の一部も経費であり、たまに会社に出社するなら交通費も経費になります。
あと、もし仕事をしている取引先との飲み会があったなら接待交際費になりますし、仕事仲間とカフェで相談した場合はそれも経費になります。

先ほどの総務省統計局のデータを参考にすると、1人暮らしの水道光熱費・通信費・交通費・交際費・その他雑費などの合計は6万円ほどです。

どのくらいが経費になるかは人によってかなり変わってきますが、おそらく3万円くらいは経費にできるのではないでしょうか?

そして最後に、8万円のパソコンですが、とりあえずこれも思い切って買ったとしましょう。
これについては、完全な仕事道具なので、8万円全額が経費です。
ただし趣味で使うパソコンの場合は経費にできないので注意してください。

4万円+3万円+8万円=15万円の経費となりました。

これはどういうことかというと、35万円の売上を得るために15万円の費用がかかったということなので、税金を計算する上ではあなたの収入は20万円だと言うことです。

つまり年収は240万円ということになります。

ここからさらに控除というものがあります。
控除にも色々ありますが、とりあえずここではほとんどの人が対象となる、基礎控除、青色申告特別控除、社会保険料控除というものだけがあるとしましょう。

これらについて説明するとややこしくなってしまうので、結果だけ言うと
基礎控除48万円
青色申告特別控除65万円
社会保険料控除約40万円
の控除を受けられます。

基礎控除と青色申告特別控除はほぼ固定ですが、社会保険料控除は人によって差があります。
40万円というのは、だいたいこのぐらいだろうと、私が独断と偏見で見積もった金額なので、ズレはあることをご認識ください。

所得税や住民税の金額は、所得からこれらの控除を差し引いた金額に税率をかけたものになります。
控除金額の合計は約153万円なので、税金額は240-153=87で、87万円に税率をかけたものになります。

すると年間の税金は
所得税は、税率5%で約4万円
住民税は、税率10%で約9万円
国民健康保険は、計算が複雑なので結果だけ言うと約20万円
国民年金は、1.6万円×12で約20万円
合計53万円、月額で表すと約4.5万円くらいになります。
つまり、会社員の時よりも月々2万円以上安くなりました

ね?ややこしいでしょ?
でも大丈夫です。
今回はあえて手動で計算してみただけであり、実際にはこういうややこしい計算は全て会計ソフトがやってくれます。
それに、確定申告2年目以降ならだいたいこのくらいかな?という目安はつくようになります。

税金・社会保険料が会社員よりも月々約2万円以上安くなったということは、会社員の時はパソコンを買うのに1万円足りなかったけど、個人事業主の場合はパソコンを買っても1万円以上お金が余ると言うことです。

もちろん、毎月パソコンを買うわけではないですし、今回の計算はおよそこのくらいになるという目安でしかなく、税金はもう少し高くなる可能性もあります。
ただ、月々2万円程度の差かもしれないですが、年間では簡単に数十万円の差が生まれることは分かって頂けたのではないでしょうか?

そして今回の例は節税対策をそこまで頑張っているわけではない場合です。
パソコンを買っている以外は、経費も控えめに見積もっています。
さらに、もし結婚されている場合などは、配偶者に給料を支払い経費にすることもできます。
節税対策は収入が大きくなればなるほど効果を発揮するので、
もう少し収入が大きい人で、節税対策もかなり研究した場合は、年間で100万円以上の金額が変わってくることも珍しくありません。

ということで今回は物凄く具体的な数字を使って節税対策について解説させて頂きました。
節税対策とは良く聞くけど、実際にどのようなものか分かっていないという人も多いと思います。
今回の例だとパソコンを買うというのが節税対策です。
パソコンを買うことで手元に残るお金は確かに減りますが、必要なものを買っただけなのに、結果的に支払う税金が安くなりました。

どうですか?税金の知識を付けるのもちょっと面白そうな気がしてきませんか?

なお繰り返しになりますが、税金・社会保険料の計算は本来は様々な要素を考慮しなければ正確な計算はできないものですし、私の認識違いにより計算結果が間違っている可能性も大いにあります。
あくまで参考程度に考えてください。

最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。

この記事を書いた人

30代後半、無職、借金1000万円の状態から、考え方を変えるだけで人生いくらでも大逆転できることに気づいてしまう。

現在は個人事業主として働きながら借金を返済中。
借金はまだ数百万円ある状態にも関わらず、毎日幸せを感じながら生活している。

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