こんにちは、ディーターです。
前回は、誰もが認める投資の神様、ウォーレン・バフェットの解説をさせて頂きましたが、今回はそれとは全く違うタイプの投資家を紹介させて頂きます。
その名もB・N・Fさんですが、この方は、投資の神様と言っても知らない人や認めないという人の方が多いかもしれません。
というか、お金の情報を発信する人間としては、紹介してはいけない方かもしれません。
何故かと言うと、この方は株価の値上がり値下がりを予測して大金をつかんだ、本物のトレーダーだからです。
真似をしようとしても絶対に無理で、無理に真似しようとすると、めまい吐き気を催し、全身の震えが止まらず、最悪の場合は死に至ります。
決して真似をしてはいけませんが、こういう人がいたということだけでも知っておくことで、自分は投資の才能があるなどと勘違いする人が減るかもしれないと思ったので、解説させて頂きます。
B・N・Fさんは大学3年の時に貯金やアルバイトで稼いだ160万円を元手に株式投資をスタートして約2年で資産1億円を突破しており、その翌年には資産10億円を突破しています。
その後も順調に資産を増やしていき、2005年、この方が一躍有名となったジェイコム誤発注事件というものが起こります。
ちなみにジェイコム誤発注事件は今ではもう知っている人もあまりいないかもしれませんが、新規上場したジェイコムの株式をみずほ証券の担当者が「61万円で1株売り」とすべき注文を「1円で61万株売り」と誤注文してしまった事件です。
ちなみにジェイコムとはケーブルテレビのJ:COMとは別の会社です。
後にジェイコム男とも呼ばれるようになったこの方は、既に相当な資金を持っていて、ジェイコム株がかなり安いことに気づきジェイコム株を約40億円分購入します。
その後、誤発注に気づいたみずほ銀行がすぐに買い戻したため株価は急激に上り、そこで株を売りさばくことで、わずか十数分で約20億円の利益を上げます。
これが、知る人ぞ知る、通称B・N・Fさんこと小手川隆さんの関わった伝説的な事件です。
B・N・Fさんは完全な一般人なのですが、この事件があまりにもショッキングだったため、テレビや新聞にも取り上げられています。
その後も毎年数十億円単位で資産を増やしていき、2008年には約200億円の資産に到達したと記録に残っています。
B・N・Fさんはテレビには一度出演したものの、芸能人として生きたいわけではなく、それ以降は世間に情報を公開していません。
投資をギャンブルとしてやっている人の中では、知らない人はいないほど有名な方なのでSNSをやればとんでもないフォロワーが付くでしょうし、情報商材でも売ろうものならとてつもなく儲けることができるでしょう。
でもそれをしないところが、やはり情報商材で稼ぐ自称投資家とは違うところです。
ちなみになぜ本名が知られているかというと、個人筆頭株主として大株主ランキングで名前が記載されたからです。
投資において株価の値上がりを予測して売買するのは止めてくださいと言っているのに、今回なぜB・N・Fさんを取り上げさせて頂いたかというと、本当にトレードで勝てる人というのは次元が違うというのを知ってもらいたいからです。
凄いエピソードばかりですが、順番に見ていくと、まず大学生で貯金やアルバイトで貯めた自分のお金で160万円の投資を始められる人がどれだけいるでしょうか?
仕事をしている社会人を含めても20代単身世帯の平均貯金額は160万円もありませんし、もっというと中央値は約10万円です。
中央値はちょうど真ん中の人の値なので20代の半分以上の人は貯金10万円以下ということです。
それだけでもとんでもないレベルですが、これを車を買ったりブランド品を買ったりするんじゃなくて、減るかもしれない投資につぎ込める人はどれだけいるでしょうか?
これだけでも常人レベルではありません。
そして、ジェイコム誤発注事件だけを知っている人の中には、ただ運が良かっただけの人と思っている人もいるかもしれないですが、それはとんでもない間違いです。
もしかしたら1株1円だったら自分でも買うわ!と思っている人がいるかもしれませんが、間違えて1円で売りに出された株も1円で買えるわけではありません。
株価は1日に上昇下落する幅というのが決まっていてストップ高以上に価格が上がることはなく、ストップ安以下に下がることもありません。
間違えて1株1円で売りに出したけど、実際にはストップ安の1株約57万円の値段で取引されることになりました。
あらかじめジェイコムの情報調べていない一般人にとっては、1株57万円が高いか安いかすら分かりません。
そして極めつけは、もし超絶お得な株が売られていたとして、40億円分買える人が日本に何人いますか?
チャンスがやってきたとしても、チャンスをものにできるのは準備していた人だけです。
ジェイコム事件でメディアはB・N・Fさんは日本一幸運な男のように取り上げましたが、ジェイコム事件がなくてもB・N・Fさんが200億円以上の資産を作るのには何の問題も無かったでしょう。
実際に、B・N・Fさんは後のインタビューで、いつもと同じことをしただけと答えています。
経済は成長するので、長期投資だったら、株を売らない限り全ての人が利益を出すことができます。
それに対し、短期売買では誰かの損失が誰かの利益になっています。
トレードで利益を出すには他のトレーダーに勝たないといけません。
投資の世界にはこういったとんでもない人間もいるのに、あなたが勝負して勝てると思いますか?
100m走をしてウサイン・ボルトと同じくらいの早さで走れるんじゃないかと思う人は世の中にほとんどいないのに、何故か投資だったら勉強すれば自分も億トレーダーになれるんじゃないかと勘違いしている人はたくさんいます。
しかもそういったとんでもない人と、ハンデなしで戦わないといけません。
ごめんなさい、ハンデなしは大嘘です。
トレードは資金が多い方が確実に有利なので、資金が少ない人は、逆ハンデを負った状態で天才トレーダーに勝たなければいけません。
そうは言っても、世界一は無理かもしれないけど、億トレーダーは現実世界に何人もいるじゃないか。と思うかもしれません。
確かに、絶対に無理だとは言いませんが、どれだけ少数かは考えて欲しいです。
運動だったら日本代表の選考を争うくらい、勉強だったら全国模試TOP10に入るくらい、運だったら宝くじ1,000万円以上が当選するくらいの少数派に入れるくらいで考えて欲しいです。
狭き門過ぎるだろ!と思うかもしれないですが、この条件のどれかを達成する人でさえ毎年何十人もいるんですよ?
頭が良い人の代名詞のように思われている東大生は毎年3,000人くらい合格します。
とてもじゃないですが、こんなに広い門ではないことは絶対に忘れないでください。
(決して東大生が凄くないと言っているわけではありません。私は中学生の頃は本気で勉強していて、中学生の範囲の勉強ではけっこう自信があったのですが、どれだけ本気で勉強しても、将来東大に受かることになる同級生には全く歯が立ちませんでした。普通に頭良すぎだろと思っています。)
ちなみに、投資の神様、ウォーレン・バフェットは、IQが高い人が投資で勝てるわけではないと言っていますし、短期売買で勝てる能力は自分にはないとも言っています。
どんな能力があれば億トレーダーになれるのかは分かりませんが、物凄く少数の人だけだということは覚えておいて欲しいです。
ということで、トレーダーは決して凡人が目指して良いものではありません。
もしかしたら自分はその限られた一部の人間かもしれないから、目指してみる!というのなら満面の笑みで応援しますが、真っ当に仕事をしていたら十二分の成功ができたのに・・・という水原一平さんのような人生を送らないことを心からお祈りします。
話が脱線してしまったのでB・N・Fさんの話に戻ると、B・N・Fさんはそのとてつもない投資の才能から、ソフトバンクの孫さんに資産運用をお願いされています。
B・N・Fさんは、他人のお金を運用することはできないとして、その申し出を断っていますが、そのエピソードだけでも、凡人が憧れて良いレベルじゃないのは分かりますよね?
ということで、最後にまとめですが、B・N・Fさんというとてつもないトレーダーがいました。
私は今まで何度もトレードではなく投資をしてくださいと言っていますが、世の中にはこのようなとてつもないトレードの才能がある人も一部ですが存在します。
ただ、そのような才能がある人は物凄く少数だということを忘れないでください。億り人という言葉もあるので意外にたくさんいるように思うかもしれませんが、まず間違いなくあなたが想像しているより遥かに少ないです。
そしてこれは私の意見ですが、B・N・Fさんの数々のエピソードを見る限り、もしB・N・Fさんが投資以外の仕事をしていたとしても、成功者の一人であったことは間違いないと確信しています。
投資の才能0でも利益を出せるインデックス投資をするか、一平さんと同じように波乱万丈の人生を楽しむかはよく考えて選択してください。
最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。