【102】 確定申告の疑問・間違い

こんにちは、ディーターです。

前回、所得税のよくある勘違いを解説させて頂きましたが、今回はもう少し幅を広げて確定申告全体について見ていきたいと思います。

前回も少し言いましたが、確定申告は会計ソフトを使えば誰でもできます。
ただ、もしかしたら次のような意見もあるかもしれません。

「税金関係のことは税理士に任せるのが一番。だから確定申告も税理士に任せるに限る。」

確定申告を税理士に任せるのが一番間違いが少く、安心できるのは確かでしょう。また、申告書作成に自分の時間を取られることもないので、とにかく忙しくて、会計書類を作っている時間があるくらいならその間仕事をしていた方が良いという方などは税理士契約を結ぶのも大きな選択肢の一つでしょう。

このように、税理士に依頼したいという明確な理由があるのなら、それは素晴らしい考え方だと思うのですが、あまりよく分かってないけどなんとなく安心できそうだからという理由で確定申告を税理士に依頼するのはあまりおすすめできません。
当然ですが、税理士に確定申告を依頼した場合は費用が発生します。
個人事業主として確定申告をすれば、経費や控除の恩恵を受けることができるため、お金で大きく得をするというのが個人事業主の最大のメリットです。
それなのに、自分でできることまでお金を払って依頼していたら、せっかく得するはずだった金額が減ってしまいます。

それでもやっぱり不安だという方は次のような勘違いをしているのではないでしょうか?

「確定申告で間違えると税務調査を受けることになり、追加徴収でかなりの金額を取られる」

このように思っている人がいるようです。
これはとんでもない間違いです。

よくある間違いの一つなんですが、確定申告で間違えると税務調査が来ると言うのは大きな間違いです。
まず、確定申告で間違えてなくても税務調査が来る可能性はあります。
間違えていないかどうかの調査ですから、調査の結果間違いではないこともあります。ただ、調査官も当然間違えていそうな人を選んで調査するので、税務調査が来たら追加徴収になる可能性は高いでしょう。

そして、間違った確定申告書を提出していても税務調査が来ない場合もあります。
ありますというか、実際はこれがほとんどです。

税金の計算はとても複雑ですし、経費として認められるかどうかは個別のケースによって変わるものも多いというのが事実です。

例えば美容院の代金などは基本的に経費としては認められませんが、タレントさんなどがテレビや舞台に出る前のメイクの費用などは経費に認められますから、人によっても判定基準が変わるということになります。
判断する人によっては経費になったりならなかったりする訳ですから、ツッコミどころが一つもない人なんてほとんどいないと言っても良いでしょう。

では、間違った確定申告書を提出して、税務調査が来なかった場合はどうなると思いますか?

結論、何も起こりません。

提出された確定申告書は、税務署の職員が細かく数字をチェックしているわけではないので、多少数字が間違っていてもそのまま受理されます。
そして、税務調査で間違いが発覚しない限り、そのまま間違った税金を払って終わりです。

そんなの不公平だ!と思う方がいるかもしれないですが、不公平だと言われてもどうしようもありません。毎年何万という確定申告書が提出されていて、しかも経費になるかならないかなどの判断は、個々の状況によって変わってくるので、そんなのチェックできるはずがありません。

個人事業主と会社経営者が恐れる税務調査ですが、税務調査が来る確率はどのくらいか知っていますか?

税務調査が来る確率は、法人で約2%、個人事業主の場合は約1%と言われています。

つまり一生に一回来るかどうかくらいの確率ということです。
できるだけ正確な確定申告書を提出するというのは大事なことではありますけど、正直ここにそこまで大きなお金と時間を使うべきかどうかは考えて欲しいです。
しかも税務調査が来やすい人には明確な特徴があります。

まずは収入が大きな人です。
売上高100万円の人20~30人の間違いを見つけるより、売上高1億円の人の間違いを一つ見つけた方が、時間もかからず、たくさん税金を取れる可能性が高いですよね?
一人の税務調査官が1年間にできる税務調査の回数だって、どうしても限りがありますし、残念ながら高収入の人が税務調査で狙われやすいのは当然です。
売上が1,000万円を超えるくらいまでは、次に紹介するパターンの申告をしていない限り、税務調査が来る確率は相当低いと思って良いでしょう。

そして狙われやすい2パターン目は、大きな節税をしたり、所得が物凄く低い人などです。
例えば100円くらいの経費を申請している人がいて、もしそれが経費として否認されても税収は数十円増えるくらいです。
それに対して100万円の経費を申請している人がいて、それが否認されたら数十万円の税収となります。同じくらいの時間をかけて調査して結果が1万倍違うわけですから、それは狙われるに決まっていますよね。

そして所得が低い人というのもそうです。
これはもう少し厳密に言うと、売上がそこそこあるのに所得が低い人です。所得というのは売上から経費と控除を引いたものです。
控除は誤魔化したとしてもすぐバレるので誤魔化しようがないですが、経費は先ほど言ったように基準がかなり曖昧です。
これを自分の都合の良いように、どう考えても経費にできないものまで経費にしたり、さらに悪質なのは、経費を捏造したりすれば所得はかなり低く抑えることができます。
売上は低くないのに、明らかに生活が困窮していそうな所得の状態が続いていたら、まぁ怪しいですよね?

先ほど売上1,000万円以上の人が狙われやすいと言いましたが、このような確定申告書を提出した人は売上500~600万円くらいでも税務調査が来ているそうなので注意してください。

そして、これも覚えておいてください。怪しい確定申告書を提出しても、すぐには税務調査は来ないということです。
何故かと言うと、税務調査は基本的に直近年分の調査が可能で、それで間違いが見つかると年分、それでも間違いがあると年分と遡って調査することができます。

過去に遡って調査できるのなら、怪しい確定申告書があってもそんなすぐに税務調査する必要はないですよね?
なんなら過去に遡って徴収の方が、追加徴収で延滞税も発生するので調査官もウハウハです。
調査官さんはそんな酷い人ではないと思いますが、もし私が調査官だったら、滅茶苦茶な確定申告書を発見した場合、「あ、これ経費で行けるんだ」と勘違いするように何も指摘せず数年泳がせておいて、後から遡ってたっぷり徴収します。

もし今滅茶苦茶な確定申告書を提出しているけど、何も指摘されてないから安心だという人は、泳がされているだけかもしれないと思っておいた方が良いですよ(笑)

ということで、最後はデタラメな確定申告はいけませんという意見になってしまいましたが、今回一番伝えたかったことは、最初に言ったように、確定申告は多少間違えていても全く問題ないということです。悪意を持った間違いは必ず後で痛い目を見ますが、解釈の違いなどで間違えてしまうものはしょうがないので気にしなくて良いと言うことです。
個人事業主で税務調査が来る確率は約1%とかなり低いですが、それでも税務調査が来て間違いが発覚した場合は、訂正された後の金額を正しく納税すれば良いだけです。
非常に悪質だったり、高額な脱税だったりしない限りは逮捕されたりすることなんてありません。
税金が大幅に減る可能性があるのに対して、間違えたとしてもペナルティはそこまで大きくない、というか間違いが発覚する可能性自体も低い確定申告は、税金に不満がある人は全員やるべきだと私は思うのですがどうでしょうか?

最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。

この記事を書いた人

30代後半、無職、借金1000万円の状態から、考え方を変えるだけで人生いくらでも大逆転できることに気づいてしまう。

現在は個人事業主として働きながら借金を返済中。
借金はまだ数百万円ある状態にも関わらず、毎日幸せを感じながら生活している。

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