こんにちは、ディーターです。
前回、前々回と、税金や確定申告のよくある勘違いを解説させて頂きましたが、今回はさらにその補足をし、みんな開業届を出して確定申告した方が良いということを念押しさせて頂きたいと思います。
結論から言うと、今回取り上げるよくある勘違い一つ目は「税率が上がりそうな場合はギリギリで抑えた方が良い」というもので二つ目は「個人事業主はレシートを取っておかないといけない」というものです。
では早速ですが、一つ目の勘違い「税率が上がりそうな場合はギリギリで抑えた方が良い」についてです。
そもそも経費や控除の金額まで正確に把握しておくのはほぼ不可能なので、所得を調整するというのは難しいですが、もし仮に調整できたとしても、調整する必要など全くないということです。
例えば所得が194万9千円までは所得税率5%で195万円以上は所得税率10%です。
所得190万円の人の所得税は190万円の5%なので9万5千円というのは誰でも分かると思いますが、所得200万円の人の所得税は200万円の10%で20万円だと思ってしまいそうです。
これはまさに私が以前勘違いしていたことですが、実際には所得200万円の人の所得税は約10万円です。
どういうことかと言うと、所得200万円の人は195万円までの所得に5%の税金がかかり、それを超えた5万円の部分だけに10%の税金がかかります。
つまり195万円×5%+5万円×10%となり、合計約10万円です。
これは税率が20%や23%に切り替わる場合も同じで、1円でも超えたら税金が跳ね上がるわけではなく超えた部分のみ税率が上がります。
よく知られている103万円の壁のようなものとは全く別ものです。
103万円の壁とは、パートやアルバイトなどで年間の収入が103万円を超えると、扶養から外れてしまうので、超えないように年末に勤務時間を調整したりすることです。
扶養内かどうかでいろいろ事情も変わるので、ここで調整するのは確かに分かります。
でも所得税は1円でも超えたらいきなり変わるわけではないので、調整なんてする必要が全くないということです。
では次に二つ目の勘違い「個人事業主はレシートを取っておかないといけない」について説明します。
とにかくレシートを取っておかないといけないと、みんな当たり前のように言いますが、実はこれは正しくありません。
確定申告の時に同時にレシートを提出するわけではありませんから、レシートを確認するのなんて、税務調査の時くらいです。
前回も言ったように税務調査は個人事業主の1%の人くらいしか行われないので、レシートを使う機会というのはほぼありません。
じゃあレシートは必要ないのかと思うかもしれませんが、そういうわけではありません。
税務調査が行われなければレシートを見られる機会というのは無いのですが、見られなかったとしてもレシートや領収書は保存しておかなければいけないという気まりがあります。
そのため、数年分のレシートを段ボールに入れて取っておいたという個人事業主の方は多いかもしれません。
ただし、今は時代が変わりました。今は取っておく必要があるものはレシートではなく、レシートなどの電子データとなりました。
今はレシートなどをスマホで撮影したものを会計ソフトで登録できるので、そこに登録してしまえばレシートはすぐに捨てても大丈夫です。
あともう一つ言うと、レシートを取っておかないといけないのは個人事業主ではなく、貧乏でいたくない全ての人です。
何にいくら使ったかを確実に把握しておくこと、つまり家計簿を作成することは貧乏でいたくないなら必ずやるべきことです。
私は仕事に関係ない食費とか雑費とか、どう考えても経費にはならないレシートでも必ず貰っています。
たまにコンビニとかでレシートを渡してくれない店員さんがいるので、そういうときはレシートくださいと言っています。
そして家計簿に正しく登録したらレシートは捨てています。
こうすれば財布がレシートでいっぱいになることもありません。
支払いは全てクレジットカードなどでしており、家計簿ソフトのマネーフォワードMEなどで自動で連携されるからレシートは要らないと思う人もいるかもしれないですが、それでもレシートはもらっておいた方が良いですよ?
キャッシュレス決済なら使った金額は正しく連携されるかもしれませんが、何に使ったか後でわからなくなることもあり得ます。
明細まで登録できていることが確認できたらレシートを捨てれば良いだけです。
そもそも家計簿は作ることに意味があるのではなく、見返すことで家計改善につながることに意味があるので、レシートを捨てるためには一度家計簿を確認しないといけないというルールを作るのはおすすめです。
このように、税金や確定申告について詳しく見て行くと、個人事業主は面倒くさそうだなというのはただの思い込みであることが多いです。
実際には、このような知識を持っているだけでも、何も知らない人よりお金持ちに近づいているのは確かです。
もちろん、確定申告書を提出する訳ですから、何もしないよりは面倒くさいとは思いますが、ほんのちょっとの面倒くささで何十万円も得をする可能性があるのだから、良い意味で全く割に合わない面倒くささだと思います。
私はみんな会社員を辞めて個人事業主になったら良いのになぁと思うのですが、会社員を辞めなくても会社員のまま開業届を出して、自分の好きな副業をほんの少しするだけで、お金の面でも人生の幸福度という面でも、信じられないほどの恩恵が得られるのは間違いないはずです。
なぜみんな会社で、時間の無駄としか思えない会議に参加したり、全く誰のためか分からない仕事をしたり、納得できない会社の規則に従ったり、満員電車で通勤したりすることは文句も言わず続けるのでしょうか?
おそらく、それ以外の選択肢をとっても良いと言うことを知らないだけだと思います。
完全に会社に頼らず生きて行くためにはいくつもハードルがあると思いますが、その最初の一歩が開業届を出すことです。
私のような、自分一人では何も考えられなかった人間でも、一歩踏み出すと今まで見えなかった新しい道が見えてきて、以前では想像もできなかったような好条件で仕事ができるようになりました。
今の仕事や働き方に全く不満がないという人以外は、是非選択肢の一つとしてでも考えてみて欲しいです。
ということで最後にまとめです。
所得税についての勘違いで、税率が上がりそうな場合は上がらないように抑えた方が良いと思っている人もいるかもしれないですが、所得税に関しては税率を気にして売上を調整する必要は全くありません。
何故かと言うと税率5%から10%に上がる場合は5%の範囲を超えた分だけに10%の税率が設定され、同様に20%に上がる場合も10%の範囲を超えた分だけに20%の税率が適応されるからです。
そして個人事業主はレシートを取っておかないといけないというのは3つの意味で嘘です。
一つ目は必要になるのは税務調査のときだけでそれ以外でレシートの提出を求められることはないから。
二つ目は取っておく必要があるのはレシートの電子データであり、レシートをカメラで撮影したら紙のレシート原本は必要ないから。
三つ目はレシートを取っておいた方が良いのは個人事業主だけではなく貧乏になりたくない全ての人だから。もちろん家計簿などにしっかり登録してからは、レシートは捨てて構いません。
このように、個人事業主とかちょっと面倒くさそうだなと思っていたことも、実際はほとんど面倒くさくないことばかりです。
個人事業主の道に一歩踏み出すとお金の面でも幸福度の面でも信じられないような恩恵を得られる可能性があります。
今すぐ会社員を辞めなくても良いので、開業届を出すという一歩を踏み出してみてはどうでしょうか?
最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。