こんにちは、ディーターです。
前回、レバレッジ投資の危険性を説明したので、今回はそれを踏まえた上でさらにレバレッジ投資について解説させて頂きます。
結論を先に言うと、「この世の中で、借金をしてまで買う価値のあるものは、ほぼ存在しない」の一言に尽きます。
一時期かなり人気になったETFにレバナスというものがあります。
これは、ナスダック100という指数に2倍や3倍のレバレッジを賭けたETFになります。
ナスダック100と言うのは、アメリカのハイテク企業100社の株価平均を表した指数になります。
近年のアメリカのS&P500が素晴らしい成長をしている要因は多くがハイテク株の影響です。
AppleやMicrosoftやGoogleなどのようなハイテク株がS&P500を引っ張っているような状態なので、実際ナスダック100の成績はS&P500を上回っています。
ですので、今後もずっとそうなるかは分かりませんが、ナスダック100自体は投資する価値のある銘柄です。
ここで問題になってくるのはレバレッジという点です。
レバレッジの危険性は前回説明した通り、プラスに働けば凄まじい効果があるけど、マイナスに働いた場合は壊滅的な被害を受けるということです。
ただし、このレバナスのレバレッジというのは、前回説明したFXのような借金というわけではありません。
レバナスはお金を借りて投資をするわけではなく、値動き自体が通常のナスダック100の2倍3倍の値動きをするものになります。
ナスダック100が1日で1%上昇したらナスダック100の2倍レバレッジは2%上昇し、ナスダック100が1日で1%下落したらナスダック100の2倍レバレッジは2%下落するということです。
ここで重要なのは、値動きが2倍になるだけであり、借金はしていないということです。
つまり借金はしていないため、FXのような強制ロスカットは発生しないということです。
これを知った時、私はよだれが出そうになりました。
インデックスというものは長期的に見たら上昇していくというのがほぼ確実です。
それならレバレッジをかけて運用した方が大きな利益が出るという考え方は間違っていません。
ただ、FXの場合は強制ロスカットというものがあるので、いくら暴落しても保持しておくということができません。
相場では、暴落というものは必ず発生するので、お金を借りるレバレッジは成功しないんです。
それが、レバナスのような価格だけのレバレッジならどれだけ暴落しても、保有し続けて値上がりするまで待っていれば良いので、勝ち確なんです。
ここでちょっと余談ですが、インデックスファンドを長期保有すれば必ずプラスになるのに、多くの人は暴落などの局面で含み損に耐えきれず売ってしまうようです。
これが私には信じられません。
FXで含み損を抱えたとき、価格が戻るまで売らずに持っておきたかったのに、強制ロスカットで決済されていた経験を何回もしている私にとっては、信じられない行為です。
ずっと持っていても良いのに自分で売って損失を確定してしまうという人が大勢いるというのが、ギャンブル脳の私には全く理解できない思考です。
私はどんな大暴落が来たとしても、涼しい顔でインデックスファンドを持ち続けられる自信があります。
長期保有できない件についてはかなり重大な問題なので、また別の機会に解説させて頂きます。
話を戻すと、レバナスは値動きにレバレッジがかかっているだけで、強制ロスカットされないので安全だということは分かりましたが、実はこれとは別の罠がありました。
ではその罠について解説させて頂きます。
ここでは分かりやすくするためにナスダック100が1万円だったとして説明します。
ナスダック100が1%値上がりして、次の日に1%値下がりしたら何円になりますか?
1万円に決まってるじゃないか、バカにするなよ?
と答えてしまう方はあまり自分に自信を持ちすぎない方が良いです。
1万円が1%値上がりしたら1万100円ですが、1万100円の1%は101円なので次の日には9,999円になっています。
「!?、そんなの分かってるし、ディーターが解説しやすいように間違えてあげただけだし」という声が聞こえてきそうです。
お気遣い頂きありがとうございます。
では次に、同じ条件の場合ナスダック100の2倍レバレッジの価格はどうなっているでしょうか?
これは最初から答えを言います。
初日は1万円が2%上がって1万200円になりますが次の日は1万200円の2%つまり204円が値下がりするので、価格は9,996円になります。
2倍得するはずのレバレッジ有りの方が3円損しました。
今は値上がりして値下がりする場合でしたが、今度は初日に1%値下がりして次の日に1%値上がりした場合はどうなるでしょうか?
結果だけお知らせすると
通常のナスダック100は9,999円
2倍レバレッジの方は9,998円です。
やはりレバレッジ有りの方が損しました。
毎日上昇し続けるのならば確かにレバナスの方が大きなリターンが期待できるのですが、株価というのは上昇下落を繰り返しながら徐々に値上がりして行くものです。
どれだけ景気が良いときでも毎日値上がりするということはありえません。
実際に、明らかな好景気の場面以外ではレバナスよりも通常のナスダック100の方が良い成績だったという結果が出ています。
これがレバナスは危険だと言われる理由です。
つまりこれからもアメリカのハイテク企業が伸び続けると思った場合はレバナスではなく、通常のナスダック100を購入すれば良いというわけです。
実際にNISAではいろいろなETFを購入できるのですが、レバレッジ商品を除くということが去年の段階から決まっていて、レバナスは購入できません。
間違えてレバナスを買わないようにと、最初から国が除外してくれたのですから優しいですね。
2024年からの投資は、ほぼNISA一択であり、NISAでレバナスが購入できないことが分かってからは、レバナスを推す声はほとんど聞かなくなりましたが、もしNISA以外の口座でも投資をするつもりの方は注意してください。
では最後に、レバレッジ投資のまとめをします。
レバレッジ投資はする必要のないものです。
もし2倍3倍の利益を出したいのなら、もっとお金を稼いでレバレッジが効いていない商品を2倍3倍買えば良いだけです。
2倍3倍買う余裕のない人が、他の力に頼って2倍3倍の利益を上げられるほど、世の中は甘くありません。
以上です。
最後までご覧頂き、本当にありがとうございました。ディーターでした。